建設業許可を解説 第4回/建設業許可取得のメリットは
建設業許可を取得すると、より大きな工事が施工できるようになる、企業体質が改善される、対外的な信用が増すなど、さまざまなメリットが生まれます。
第1のメリットは、500万円(消費税込み)以上の工事(建築一式工事については、木造以外では1,500万円(消費税込み)以上、木造住宅では延べ面積150㎡以上の工事)を請負施工できることです。これにより金額的な制限は取り払われるので、より自由な営業活動が可能になります。(ただし、「特定建設業許可」「一般建設業許可」による制限はあります。)
第2のメリットとして、対外的な信用度の向上があげられます。「経営業務の管理責任者」「専任技術者」「財産的基礎」などの要件を満たし、一定基準をクリアすることによって、企業体質が改善されるとともに、官公庁、民間の発注者からの信用度も増すことになります。さらに、銀行や保証協会などについても同様で、公的融資による資金調達が容易になります。
許可申請時の提出書類のうち、許可申請書と添付書類は、許可後、広く一般に閲覧されます。したがって、提出した工事経歴書、登記事項証明書、財務諸表および役員などの調書などが公開されることによって、会社の内容がある程度、公になります。官公庁、民間の発注者が工事を発注する際、その建設業者の規模、経営内容、実績などを閲覧することにより、発注者の事前調査を容易にするためです。この結果、優良な建設業者は受注活動が有利になります。これが第3のメリットといえます。
また、国土交通省が元請業者に対して公共工事では下請業者、孫請業者まで許可業者を使用するよう指導していることもあって、元請業者では新規の下請業者、孫請業者に対しては、まず許可を取得しているかどうかを確認することが多いようです。
また、メリットというより自己防衛策ですが、建設業者は施工技術の確保に努めなければならず、この施工技術の確保を図ることによって、工事施工にともなう労働災害を防止することが求められています。紛争問題となるような場合は、適法に許可を取得していないと、調停あるいは裁判のときに不利になること場合などもあります。
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