建設業許可を解説 第19回/営業務の管理責任者が欠けたら

「経営業務の管理責任者」が死亡または退社などにより欠けた場合、代わりの者がいる場合には、「専任技術者」と同様に、2週間以内に「常勤役員等(経営業務の管理責任者等)証明書」により経営業務の管理責任者の変更を届出ます。いない場合には欠けたことを「届出書」により届出て、「廃業届」を提出します。不測の事態に備えて、役員の中に要件を満たす者を複数確保しておく必要があります。また、外部から要件を満たす者を招く場合は、役員に就任させ、社会保険に加入するなど常勤が確認できるようにした上で、2週間以内に許可行政庁へ届出なければなりません。

<要件を満たす役員などが社内にいる、あるいは外部から招く場合>

建設業に関し、5年以上役員として登記されている者がいれば、前任者が役員を「退任(辞任)」(退社ではない)して2週間以内に「常勤役員等(経営業務の管理責任者等)証明書」を届出ます。外部から要件を満たす者を招いた場合は、役員に就任させるとともに、「経営業務の管理責任者」に「就任」させます。これらの場合の「退任」「就任」とは登記日ではなく、辞任届出日や就任承諾日などの発生日です。登記日や社会保険の取得日についても厳格に問われるため、注意が必要です。

一方、建設業に関し、5年以上役員として登記されている者がいない場合でも、役員に次ぐ職制上の地位の者の経験が認められる場合があります。その際の確認資料は辞令、職制図、職務分掌表などです。個人の場合は、個人事業主の配偶者、子息などの事業承継者がこれに該当します。これらは「経営業務の管理責任者に準ずる地位」といい、法第7条第1号ロに該当して認められるものです。

なお、告示第1号ロの「経営業務の管理責任者に準ずる地位」は、6年以上の経営業務を補佐した経験を有する者、許可取得業務以外の業種の6年以上の役員の経験がある者、海外法人の役員などの経験を国土交通大臣に特別に認定された者などが該当します。この中で唯一経験が5年以上あれば認められるのが、執行役員(登記上の執行役とは異なる)などの取締役会のの議決にもとづいて代表取締役から権限委譲などを受けた者です。

<要件を満たす役員がいない場合>

30日以内に所管窓口に「届出書」と「廃業届」を提出します。これを怠ると、前任者が転籍先の会社で経営業務の管理責任者になるときなどに支障をきたし、経営業務の管理責任者の要件を欠いた(法第29条第1項)として、許可の取消処分となる可能性もあります。

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